「新反動主義」付録A: 新反動主義の関連テーマ年表
カーティス・ヤーヴィンの「新反動主義」――王制主義リバタリアンとは何かの付録です。
新反動主義に関連するテーマの歴史です。
1952年 エリック・フォン・クーネルト=レディン『自由か平等か ――我々の時代の試練』
https://mises.org/library/liberty-or-equality-challenge-our-time
自由の観点から民主制に対する君主制の優位を主張
また、フォン・クーネルト=レディンは自らを反動主義者と自称した
メンシウスに影響を与えた
1957年 スペンサー・ヒース『砦、市場、聖餐台』
1979年 リチャード・オースター&モリス・シルバー『企業としての国家: 政治的発展における経済的な力』
『企業としての国家: 政治的発展における経済的な効力』. By Richard D. Auster and Morris Silver
民主主義における制度的エントロピーの問題を指摘し、民主主義とは役に立つわけではなくコストが高いがそれ自体で価値を求められる消費財であると結論している
2001年 ハンス=ハーマン・ホップ デモクラシー 堕ちた偶像
民主制より君主制・封建制の方が自由を守ると主張
2007年 ブライアン・カプラン 合理的な投票者という神話 〜なぜ民主主義国家は悪い政策を選択するか
日本語訳『選挙の経済学』
書評: "カプラン『選挙の経済学』。買い物では合理的なヒトが、投票で不合理な選択を取るのはなぜか "
ブライアン・カプランは、『選挙の経済学』で、
「民主主義で、有権者がミスってランダムに間違えたりするというだけなら、多くの人の投票を集計することで大数の法則により間違いが相殺しあっていい感じになる。
Democratic Reason: Politics, collective intelligence and the rule of the many | SpringerLink
「みんなの意見」は案外正しい
有権者がバカでもデモクラシーは成立するか? 週刊プレイボーイ連載(10) – 橘玲 公式BLOG
しかし、認知バイアスのようにランダムでない誤りがある。ランダムでないので集計しても相殺されず誤りが残る。
しかも、個々の有権者は自分の票がそこまで結果や自分の生活に影響しないことを知っているので、そのような認知バイアスを訂正するインセンティブがない (コモンズの悲劇、合理的無知)」
という議論を行った
2007年4月22日 メンシウス・モールドバグ 「フォーマリスト宣言」
民主主義を批判し明確な法的権利・所有権に基づく政体を提唱したメンシウス・モールドバグの最初の記事。
コメント欄を見るとメンシウスの考えはこのときからかなり固まっていたことが分かる
2009年4月9日公開 パトリ・フリードマン「素朴直感的な (folk) 政治活動ではなく」 , Cato Unbound
2009年4月13日公開 ピーター・ティール「「自由と民主主義が共存可能だとはもはや信じていない」」 , 「リバタリアンの教育」, Cato Unboundより (※明確に反動主義や君主制には言及していないが)
1920年代から女性参政権や福祉の受益者の増加により自由と民主制が両立しなくなったと言っている
2010年7月 Arnold KlingがNeo-Reactionary という言葉をつける: The Neo-Reactionaries - Econlib
2013年 ニック・ランドがブログOutside inを開始: First/Last blog post | Old Nick